口述の過去問はやるべき?(前編) [口述試験]

論文試験(必須科目)が終了しました。受験された方、お疲れさまでした。選択科目のない人は口述の準備に取り掛かれますね。おそらく何かしらの過去問を手に取られる(取られた)と思うのですが、実際に問答(質問&参考回答)をご覧になってどのように思われました?

★過去問の精度
過去問は実際に口述をうけた受験生の再現に基づいて作成されています。それは、短答や論文のように実際の問題が公開されているわけではないから。特許庁のHPに公開されているのは試験問題テーマの公表だけ。例えば「○月○日(○曜)午後 特許・実用新案:先使用権。意匠…」などです。
過去問を見てみると質問の数や質問の仕方がかなりいろいろだと思いませんでしたか? 口述試験は、同じ日時であれば同じテーマの問題が出題されますが(おおもとの質問も同じはず)、口頭試問である以上、内容は人によって違います。この“人によって”というのは、出題者(試験官)によっても、回答者(受験生)によっても変わってくるということ。口述の過去問の精度はあまり高くないんです。

★ばらつきの原因
①質問のばらつき
たとえば同じ前置審査(特162条)の問題で、おおもとの質問は同じでも「前置審査がなかったらどうなりますか?」と訊かれたり「前置審査がなかったら誰が審理しますか?」であったりする場合があります。後者の場合は回答がクリアで『審判官の合議体』ですよね。でも質問が前者だったとしたら『審判官がします』の他に『審判の促進がはかれません』の答えだって想定できるわけです。

②応答のばらつきによる追加質問の発生
口述試験には答えてほしい回答(キーワード)があります。ほしい回答が得られなかった場合、それを得るための質問が投げかけられてくるので、本来予定されていない質問が増えることになります。過去問を見て質問の多いパターンがあるのは、この理由です。
たとえば、上記の前置審査であれば、「前置審査がなかったらどうなりますか?」→『審判の促進がはかれません』→「主体的な観点ではどうですか?」→『審判官が審理します』となり、『審判官』の回答を得るまでに、本来出題事項でなかったやりとりが1つ増えています。

★過去問の位置づけ
予備校側で収集したサンプル数が多ければ特許庁側が用意した模範質問に近づいてくると思いますが、1人分だけだとその受験生の問答に左右されることになります。中には時間切れとなり当初の質問の最後まで到達しなかった再現や、逆に時間が余ったので追加の質問(採点対象外)が含まれているものかもしれません。
また、過去問の質疑応答はすっきりとした一問一答になっていますが、実際はもっと人間的です。「前置審査がなかったらどうなりますか?」→『あ、あ、審判に時間がかかります』→「どのように時間がかかるのですか?」→『審判官が出願内容をまず把握しなくてはいけなくて…えっと…』→「そうですね、審判官がするんですよね」みたいな雰囲気だったりします。
なので、過去問がすべてではなく、読み物程度にとどめておいたほうが無難です。

次回(過去問の使い方→リンク)に続きます。



nice!(18)  コメント(3) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 18

nice!の受付は締め切りました

コメント 3

コメントの受付は締め切りました
pandan

過去問は参考程度にが
よさそうですね。
by pandan (2011-07-05 06:44) 

PATA

過去問が重要じゃない場合もあるんですね。

by PATA (2011-07-07 01:55) 

まかろにーあ

pandanさま☆
出版元によって過去問もまちまちだったりしています。

PATAさま☆
受験生の数だけ過去問があるんですよね。

by まかろにーあ (2011-07-08 00:27) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。