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H22年口述アーカイブ [口述試験]

今年(H22年)の口述試験を受験してみての感想を(忘れないうちに)書きます。

★論文終わっても休まない
論文試験が終わっても夏休みはないです(1年生は特に!)。論文に運よく合格していた場合を考慮して、2年目超の結果待ちの先輩方がゆっくりしている論文発表までの2ヵ月間を使って、できる限り知識量etc...の差をつめておくべきと考えていました。
しかし、ここ2年程で口述試験はしっかりと準備をしなくてはならない試験に変化していて、先輩方も勉強していました(困りました)。しかも口述で戦う先輩方の一部は前年の口述試験の経験者です。手ごわい相手です。。。

口述がいちばん“水モノ”で、どこまで準備すれば合格ラインに辿り着くのか、わからないんです(おそらく、試験官の判断レベルがまちまちなことに起因しているからかと思います)。だからこそ勉強方法(何をやったらよいのか)が最も分かりにくい試験でした。

★求められている知識
・全般:短答・論文よりも「広く」「深く」「正確な」知識
・条文:隅々まで把握している(どこが出題されるか読めないので)
・青本:制度制定趣旨、用語の定義などは答えられる
・審査基準:意匠は重要な点は確実に、商標は細かい箇所まで答えられる
・可能なら、判例、条約も…

★恐怖の条文暗唱
条文どおり攻撃
基本条文(特68条など)や短い条文(意5条など)は正確に、長い条文はキーワードがきちんと言えていればOKだったように思います(試験官の個人差あります)。

及び又は攻撃
「及び」「又は」抜けで言い直しさせられる条文は、「又は」の存在や単語の係り方が重要な箇所と思います(意38条2号など)。

条文どおり答える利点
①心証がよい ②次の質問にスムーズに移れる
条文にそう書いてある以上、間違いとはできないわけで、試験官は次の質問に進まざる得ない。もし、自分の言葉で答えた場合、受験生本人としては十分理解している事項であっても、試験官としては分かっていてその回答なのか、分からないからその回答なのか、判断できないから突っ込むんじゃないかな、と思いました。

★所感
試験の公平化
今年の問題は例年と比べて、難易度や質問の仕方をなるべく揃えようとした努力は感じられたと思います。意匠が難しめの日は特実か商標が易しめだったような気がしますし、序盤の問題や条文通りを求める問題は助け舟はどれも殆ど出ていなかったように思います(あくまでも私の所感ですが)。それでも、某先生に出遭ってしまうなど、運の要素が大きいことには変わりないのですが。。。

予備校とのいたちごっこ
出題者サイドは予備校偏重を嫌っているみたいですね。終盤の質問になるにつれてメジャーなレジュメ(某「要点整理集」)の内容を敢えて避けて出題してきていたような気がしました。でも、要点整理集は過去問ベースですし押さえておいた方がよいと思います。その上でプラスアルファの知識を青本・審査基準ベースでつけておく必要がありそうです。

口述は最終段階。ここまで来たのだから、合格ゲットしないともったいない!!口述は運もありますが、より多くの運を得るには、より多く勉強して可能性を広げておくしかないのかな? とにかく努力です。

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口述の過去問はやるべき?(前編) [口述試験]

論文試験(必須科目)が終了しました。受験された方、お疲れさまでした。選択科目のない人は口述の準備に取り掛かれますね。おそらく何かしらの過去問を手に取られる(取られた)と思うのですが、実際に問答(質問&参考回答)をご覧になってどのように思われました?

★過去問の精度
過去問は実際に口述をうけた受験生の再現に基づいて作成されています。それは、短答や論文のように実際の問題が公開されているわけではないから。特許庁のHPに公開されているのは試験問題テーマの公表だけ。例えば「○月○日(○曜)午後 特許・実用新案:先使用権。意匠…」などです。
過去問を見てみると質問の数や質問の仕方がかなりいろいろだと思いませんでしたか? 口述試験は、同じ日時であれば同じテーマの問題が出題されますが(おおもとの質問も同じはず)、口頭試問である以上、内容は人によって違います。この“人によって”というのは、出題者(試験官)によっても、回答者(受験生)によっても変わってくるということ。口述の過去問の精度はあまり高くないんです。

★ばらつきの原因
①質問のばらつき
たとえば同じ前置審査(特162条)の問題で、おおもとの質問は同じでも「前置審査がなかったらどうなりますか?」と訊かれたり「前置審査がなかったら誰が審理しますか?」であったりする場合があります。後者の場合は回答がクリアで『審判官の合議体』ですよね。でも質問が前者だったとしたら『審判官がします』の他に『審判の促進がはかれません』の答えだって想定できるわけです。

②応答のばらつきによる追加質問の発生
口述試験には答えてほしい回答(キーワード)があります。ほしい回答が得られなかった場合、それを得るための質問が投げかけられてくるので、本来予定されていない質問が増えることになります。過去問を見て質問の多いパターンがあるのは、この理由です。
たとえば、上記の前置審査であれば、「前置審査がなかったらどうなりますか?」→『審判の促進がはかれません』→「主体的な観点ではどうですか?」→『審判官が審理します』となり、『審判官』の回答を得るまでに、本来出題事項でなかったやりとりが1つ増えています。

★過去問の位置づけ
予備校側で収集したサンプル数が多ければ特許庁側が用意した模範質問に近づいてくると思いますが、1人分だけだとその受験生の問答に左右されることになります。中には時間切れとなり当初の質問の最後まで到達しなかった再現や、逆に時間が余ったので追加の質問(採点対象外)が含まれているものかもしれません。
また、過去問の質疑応答はすっきりとした一問一答になっていますが、実際はもっと人間的です。「前置審査がなかったらどうなりますか?」→『あ、あ、審判に時間がかかります』→「どのように時間がかかるのですか?」→『審判官が出願内容をまず把握しなくてはいけなくて…えっと…』→「そうですね、審判官がするんですよね」みたいな雰囲気だったりします。
なので、過去問がすべてではなく、読み物程度にとどめておいたほうが無難です。

次回(過去問の使い方→リンク)に続きます。



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口述の過去問はやるべき?(後編) [口述試験]

前回(過去問の位置づけ→リンク)のつづきです。

★実際に例題を解いて(答えて)みる
たとえば、いわゆる先使用権だと、以下のような質問が並んでいます。
・制度を設けた理由は?
・要件についてお答えください
・事業の準備とはどの程度のものを指しますか?
  :
ここで「こんなのちょろいわ」って感じた方は、自分の回答と口述で求められるレベルとにズレがある可能性が高いです。なぜなら「だいたいこういうことでしょ」的な回答(自分的な理解)は許されない世界だから。

例えば「特許法79条は何についての規定ですか?」に対し『先使用権』と答えてしまってはNG。条文上「先使用権」という用語は1回も出てこないから。条文の用語『先使用による通常実施権です』(条文見出しにあります)で答えるか、“いわゆる”を付けて『いわゆる先使用権です』と回答する必要があります。
また、「79条はどのような規定ですか?」に対して、よく論文の定義で書く『その
出願の際に善意に…』が回答と思ったとしたら、それでは“不十分”。条文上でてこない「善意」というワードに対して、「“善意に”とはどのような意味でしょうか」という質問が追加される可能性があります。なぜなら「善意に」の内容を正確に理解しているか分かりかねるので、追加の質問をして確かめたいから。特許出願の時点における知不知を問題としているのか、実施している発明の知得の経路を問題としているのか、「善意に」という単語からは分かりかねるからです詳細は青本p.248参照)。

★条文どおり攻撃
過去問を見てみると、条文をほぼそのまま答えさせている箇所がいくつかあります。条文どおりに答えさせることに対して「内容が分かっているならいいじゃないか、何でわざわざ条文暗記させる必要があるんだ」と思う気持ちはわかります。でも、ちゃんと分かっているかを判断するのは、受験生の自分ではなく、試験官なんです。自分が理解しているということが試験官に伝わらなければOKと評価されない。
自分の言葉で説明しようとして、たとえば上記の79条の例で『他人の発明とは独立に…』と答えたとしたら、この『独立に』はOKなのかOUTなのか、試験官によっては迷ってしまうかも。そこで確認するために「では“独立に”とはどのようなことですか?」と枝葉の質問が増え、試験官が納得できなければいつまで経っても次の質問に進めないことにも(口述試験は制限時間内に所定の問題をクリアしないと途中で打ち切り→その科目はOUTとなります。3科目中OUT2つで不合格。おおよそ7~8問/10分ですが、余計な質問が増えると持ち時間をどんどんロスします)。
条文どおり「特許出願に係る発明の内容を知らないで」って答えれば、条文にそう書いてある以上(たとえ内容や趣旨を分かっていなくて丸暗記しただけだったとしても)間違いとはできない。条文どおりや条文のキーワードで答えるって便利なんです。

★口述の練習は1人でできる?
これまで短答、論文で過去問は解いてきたと思います。短答は○×問題だから自分で採点できるし、論文も(本試を突破できるレベルにある方であれば)過去問の参考答案を見ながら自分の答案を採点できると思います。でも、口述も自分でチェックできるよっていうのは間違い。論文の場合、自分で解いた(書いた)過去問の答案を自分で採点できるのは、論文答練で論文力を養ってきたからですよね。口述に対して、口述力を養ってきた経験がないなら(具体的な口述対策をやったことがないなら)、最初は論文と同じく練習の場(講師や近年の合格者に見てもらう場)を持ったほうがいいような気がします。
特に口述の場合、論文以上に誰かに見てもらった方がよいと感じるのは、回答以外の要素も重要だから。論文でも答案の文字がきれいな方が心証がいいように、口述ではその人自体の雰囲気がいい方が心証がいい。身なり、しぐさ、話し方、会話のテンポ…就職や転職活動の面接とポイントが似ていますね。

各受験機関で今年もガイダンスが催されると思います。
<過去のガイダンス等の例>
・G:口述準備講座の説明会:7/15()20:30~、8/4()19:30
・Yゼミ:口述ガイダンス:7/25() 13:00
・L:口述対策「はじめの一歩」:8/1()8/8()16:00
(日付は昨年H22年のものです。今年の予定は各予備校のHPをご確認ください)

論文の結果発表(9月下旬)までの間は口述対策をして過ごされることをオススメします。仮に本試の感触がよくなかったとしても、口述以外にこの時期に勉強することってあんまり思い当たらない。論文対策は発表後でもいいわけだし、それにもし論文試験に受かっていたら…発表から口述本番までの3週間では、時間的にけっこうきついです。
口述の勉強をすると、条文の細かい事項を把握できるし、青本の理解も深まります。それに、いつかは受けなければならない試験。どっちに転んでも、口述対策はムダにはならないと思いますよ。

*参考文献:口述アドヴァンステキスト平成22年版、工業所有権法(産業財産権法)逐条解説第18


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口述の練習をしよう [口述試験]

論文の合格発表までの間、最終ステージである口述試験向けの練習機会を持ちたいものですが、一対一で講師の指導を直接受けられる機会はそう多くない(ゼミや講座等は大人数ですよね)。よく「講師が試験官役ならいいけど、そうでなければ意味なし」という声も聞かれますが、メリット/デメリットをちゃんと認識していれば口述練習(アウトプット)の場として、講師以外でも十分役立ちます。

pros/cons
☆勉強仲間(ゼミ仲間)で集まって問題の出し合い
メリット:お金をかけずに気軽に集まれる。ペースメーカーになる(仲間と切磋琢磨)。
デメリット:誤った回答をしてもスルーされることもある(お互い受験生なので気づかない?)。メンバーに口述試験の経験者がいないなら、変なクセがつくおそれがある(仲間うちで口述対策になると思っていることと本物の口述試験とにずれがある?)。

☆近年の合格者が試験官役(新米講師、会派の練習会を含む)
メリット:最近の口述試験の雰囲気や厳しさを知ることができる。
デメリット:誤った回答をしてもスルーされることもある(もう受験から離れているので、知識が抜けている?)。

☆ベテラン講師が試験官役
メリット:誤った回答(特に法的な間違い)を発した場合、適切な内容に正してもらえる。
デメリット:費用が高い(口述模試は1回(質疑応答10分+講評を3科目)で7,000円~10,000円くらい)。最近(ここ2~3年)の口述の厳しさを経験していない(講師は昔の合格者が多い)。

なお、模試はハズレ試験官(模試の時だけ借り出されている人)に当たる場合があります。模試だと試験官役(講師)は選べないことが多いです。そうすると「高かろう、悪かろう」(何のメリットもなし)になっちゃいますね。


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試験官いろいろ 受験生もいろいろ [口述試験]

7月(論文必須終了直後)に、口述試験に関する記事をいろいろupしましたが、今回は実際の問答についてです。
口述試験はレーンによって当たり外れがあると言われています。同じ日時であれば同じテーマであり、基本となる質問も同じはずですが、口頭試問である以上、内容は人によって違いがでてきます。この“人によって”というのは、出題者(試験官)の訊き方の違いのほか、枝葉の質問など(回答者(受験生)の応答が不十分な場合の追加の質問や単に質問者が訊いてみたくなったなど)の、バリエーションと思います(バリエーションの発生について→過去記事)。もちろん、受験生の記憶違い(口述の再現は受験生の記憶に頼っているため、実際は全く同じ質問だったとしても、異なる字面や順番で再現されている)可能性もありますが…
そこで、同じテーマでレーン違いの知人にご協力いただき、某日の商標の再現を比較してみました。基本となる質問をピンク文字追加(枝葉)の質問をオレンジ文字、質問ごとに通し番号(①、②…)、ちょっとした解説を青字で示しています(色はケータイ非対応)。比べて見ると、同じテーマなので全体の流れはほぼ同じものの(試験の性質上、なるべく揃えてもらえないと困りますよね)、質問ごとに見てみると個々の問答のバリエーションが垣間見れるかと思います。

★再現その1
Q.
商標法については、商標権の消滅についてお聞きします。
A.
よろしくお願いします。
 *時間を割いて試験して“いただく”ことへの礼儀として
Q.
なお、
原則論だけお答えいただければ結構です。マドリッド協定の議定書については考慮する必要はありません。①商標権が消滅する場合を4つお答えください。商標法特有のものを含めてください。
A.
はい。相続人不存在、無効審決により消滅…
 *いきなり答えを言うより、質問を「はい」で受けると間ができて落ち着くし、落ち着いているように見える(「はい」は以下省略)
Q. 無効審決になったらすぐ消滅するのですか?
A.
(自分の答えが間違っているのかと思い、)すみません、言い直します。相続人不存在、商標権の放棄、登録料不納と、異議申し立てにより取り消された場合です。
 *「言い直します」と宣言することで、直近の回答をノーカウントにできる
Q. 異議申し立てにより取り消されたら消滅するのですか?
A.
取消決定が確定して登録されたら消滅します
Q.
②登録とは何にですか

A.
商標原簿に登録されたらです
Q.
①無効審判の場合はどうですか?
A.
確定した無効審決が商標原簿に登録されて消滅します。
Q.
③放棄の場合、何か制限はありますか?
A.
(何を思ったか)いえ、ありません(と答えてしまった)。
Q.
えっ?(驚いた様子) ②例えば使用権者が居た場合は?
 *助け舟です
A.
専用実施権者、通常使用権者、質権者がいた場合は、これらの者の承諾が必要です。
Q.
「放棄の場合、何か制限はありますか?」の質問に対してはどうですか?
 *助け舟の質問が入ったあとでも回答は最初の質問に対して行う
A. 放棄の場合、制限があります。
Q.
④異議申し立ての場合は効果はどうなりますか?
A.
取消決定が確定して初めから存在しなかったものとみなされます。
Q.
⑤無効審決の場合は?
A.
無効審決確定により初めから存在しなかったものとみなされます。
Q.
⑥取消審判の場合は?
A. 50
条の不使用取消審判の場合は審判請求登録日に遡って消滅、51条、52条の253条、53条の2の不正使用取消審判の場合は審決確定により消滅したものとみなされます。
Q.
⑦不使用取消審判の場合、なぜ「審判の制球の登録の日に消滅したものとみなす」となっているのですか?
A.
不使用取消審判により取り消された商標は、商標法上の保護すべき信用が発生していないため、損害賠償の請求等が行われるのを認めることは適当でないことから、審判請求登録日まで遡及させています。
 *自分の言葉ではダメ(正確な表現がよい理由過去記事
Q. 他には?
A.
(色々答えてみるものの…)
Q.
違います。先に次の質問をします。
 *試験官はおもに3タイプいて、①答えられるまで次の質問に移らない、②他の質問を先にして後でもう一度訊く、③答えが間違っていてもそのまま先に進めて試験終了 のパターンがある。③の場合、最後の問題まで到達しているが実はC評価(不可)ということがありうる。
Q. ⑤無効審判により消滅した場合はどうなりますか?
A.
(あれ?さっき同じこと訊かれたような…) 
商標権は、原則、初めから存在しなかったものとみなされます。
Q.
「初めから存在しなかったものとみなす」の「初めから」とはどういうことですか?
A.
(えっ?条文にない事項だよね…) 商標権の設定登録から存在しなかったということです。
Q.
先ほどの問題(⑦)に戻りますが…(以下、略)。それでは商標法は以上です。
A.
ありがとうございました。
 *試験して“いただいた”ことへの感謝の印として

★再現その2
Q.
商標法は、商標権の消滅についてお聞きします。まず、①商標権が消滅する場合を、商標法特有の事由もあると思いますが、4つお答えください。
A.
はい。登録料の不納付、存続期間の満了、無効審決の確定、商標権の放棄です。
Q.
放棄とは、放棄だけですか?
A.
いえ、放棄の登録です。
Q.
あと、一番最初に何と言いました?
A.
登録料の不納付、と言いました。
Q.
①それ(登録料の不納付と)はどういうことですか?
A.
商標法においては登録料の分割納付が認められていますので、前半の5年分を納付した後、後半の5年分を支払わなかったときは、商標権が消滅する、ということです。
Q.
あぁ、そういうことですか。他には言えますか?商標法特有の事由があると先ほど言いましたが・・・。
A.
あ、異議申立ての取消決定が確定した場合と、取消審判の取消審決が確定した場合があります。
Q.
そうですね。では、①商標権の放棄はいつ効力が発生しますか?
A. 放棄の登録があったときです。
Q.
放棄の登録は、どこにされるのですか?
A.
商標原簿です。
Q.
はい。では、③放棄の場合に何か条件があることがありますか?
A.
はい。専用使用権者、
Q.
(遮って)まずはあるかないかを言ってください。
A.
あります。
Q.
どのような条件ですか?
A.
専用使用権者、通常使用権者、質権者があるときは、これらの者の承諾を得る必要があります。
Q.
はい。それでは、⑤無効審判における無効成立審決の効果と、⑥取消審判における取消成立審決の効果に何か違いがありますか?
A.
はい。無効審決が確定したときは、商標権は初めから存在しなかったものとみなされます。これに対し、取消審判の取消審決が確定したときは、50条審判以外の審判については、審決の確定後、消滅します。50条審判の取消審決確定の場合は、審判請求の登録の日に消滅します。
Q.
⑤無効成立審決確定の場合、商標権は初めから存在しなかったものとみなされる、とのことですが、例外はありますか?
A.
はい。後発的無効理由により無効審決が確定した場合は、その後発的無効理由に該当するに至った時から存在しなかったものとみなされます。
Q.
では、④異議申立ての取消決定が確定したときの効果は何でしょう?
A.
商標権は初めから存在しなかったものとみなされます。
Q.
⑧「初めから」とは、いつのことですか?
A.
商標権の設定登録の時です。
Q.
はい。では、⑦不使用取消審判の取消成立審決が確定した場合に、審判請求の登録の日に商標権が消滅したものとみなされるのは、なぜですか?
A.
取消審決確定までに第三者がその商標を使用した場合に、空権化した商標権により損害賠償等を請求できることとするのは、妥当でないからです。
Q.
はい。以上です。

…と、比べてみていかがでしたでしょうか? たとえば、同じ事項でも訊き方の違い(⑤⑥で、無効審判と取消審判の相違点として訊くか、個々に訊くか)や、回答を受けて派生した質問(で、再現1では無効審判、再現2では登録料の不納付について)などがあったと思います。
口述試験では、持ち時間内(原則10分/1科目)で用意されている問題(7~8問目安)すべてをクリアする必要があります。追加(枝葉)の質問があれば、その分時間をロスするうえ、しかもポイントにならない。練習では、枝葉がなるべく生じないような「漏れがなく無駄もない回答(ほしい事項はすべて答えていて余計な情報が付加されてない回答)」を意識してみてくださいね。

*謝辞:再現をいただいた○○さま(お名前はシークレットです)のご厚意に感謝いたします。


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