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実務修習回想録 ①スケジュール [修習研修]

合格者が登録までに必ず通らねばならない道、恐怖の「実務修習」について。
私はH22年度(3期生)にあたります。実務未経験のため、修習が始まるまでは本当に不安でしたが、やってみたら心配したほどではありませんでした。前年までより起案(事前提出課題)が易しくなっていたのかもしれませんが(課題不合格→起案再提出を多く出すと、事務方の対応が大変なのだとか)。

<スケジュール>
11/
中旬 申し込み案内送付
11/
末 申し込み締め切り
12/10
頃 e-learningWeb講義)開始
12/
中旬 ガイダンス(希望者のみ)
12/
下旬~1/中旬 起案提出
1/
中旬 集合研修開始
2/
末 e-learning&集合研修終了(再提出者は3月にずれこみ)
3/
下旬 修了式・懇親会(希望者のみ)

★申し込み案内送付
合格者宛に自動的に送られてきました(合格証書より早く届きます、笑)。今年はもう到着しているようですね。

★申し込み
クラス及び参加日時の希望提出、免除手続き(該当者で希望する人のみ)をします。
クラス(特許の分野を機械、電気、化学から1つ選択)は希望通りになりますが、コース(参加日時)はほとんどの方が希望通り(第1希望)であったものの、他の日になった方も実際にいます。課目免除(特実・意・商それぞれ)は一定年数以上の実務経験者が経験課目に限り受けられます。
e-learning
テキストと一緒にコース決定通知が送られてきます(12/10頃)。この日まで、コースがどれに(何曜日に)当たったかが分かりません(泣)。

★ガイダンス
大ホールで1時間くらい説明があります。内容は「申し込み案内」に書いてあることと同じなので、出席しなくても支障がないと思います。ガイダンス後、仲間うちで飲みに行く方を多く見かけました。

e-learning&集合研修&起案提出
e-learning
web講義)の講義時間は、計45時間。集合研修の所要日数は「3時間×9日」か「3時間×1日+6時間×4日」のいずれかです(詳細は後日)。起案は毎週締め切りが来ます(課題は7つで、提出は計4回)。

★修了式・懇親会
お偉いさんの話と実務修習終了証書の受け渡し、その後の飲み食いのようです。(H22年度の東京会場は中止となったので、詳しいことはわかりません)。

次回、詳細について記します。


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実務修習回想録 ②カリキュラム [修習研修]

今回は「カリキュラム」についてです。詳細はHPの「実務修習」のページにUPされています(弁理士会HPリンク)。今年もe-learningweb講義)、起案(提出課題)、集合研修(生講義)の3本立てです。

e-learning: 計45時間+小テスト
項目は以下(HPで公開されている内容です)。
-
弁理士法・職業倫理(弁理士法、倫理、業務概論)
-
特許・実用新案の理論・実務(情報調査、PCT、明細書、審査基準、クレーム、意見書・補正書)
-
意匠の理論・実務(出願手続、意見書・補正書、審査基準、類否判断)
-
商標の理論・実務(情報調査、マドプロ、出願手続、意見書・補正書、審査基準、類否判断)
-
その他(知的財産権に係る施策、条約、オンライン出願、審判)

倍速再生ができないシステムなので、ちょっと長く感じます(要は、かったるい)。ついさっきまで受験生だった耳は講義の早聞きに慣れているので、1.5倍~2倍速の方が聞きやすいんですけどね。
講義は昨年(H22年)は初年度(H20年度)と同じでした(カリキュラムを見る限り、今年H23年も…?)。講義によっては講師が「平成20年度」とか言っちゃってます。法改正された部分はテキスト(レジュメ)への追記対応でごまかしていました。
小テストが講義の合間に入っています。合格する(80%以上の正答率を出す)まで、次に進めません。講義内容どおりの内容が平均5問前後出題されます(短答チックな引っ掛け問題も)。何回も挑戦できるので、1回目で不合格でも数打てばそのうちクリアできます。

★起案
特実の分野は「機械・電気・化学」のうちから1つ選択です。どれも専門外の方(文系の方?)は機械がまだマシだと思います(発明が図示されているので、まだとっつきやすいと思うから)。IT系の方なら電気でも。
課題は7つあり、それぞれ提出期限が毎週水曜(H22年の場合)にやってきます。

・特実①クレーム、②出願手続:12/22(日付は目安。H22年度のものです)
・特実③中間処理:1/5
・意匠④出願手続、⑤中間処理:1/12
・商標⑥出願手続、⑦中間処理:1/19

★集合研修
基本的には、起案(事前に提出済)の答えあわせです。講師にも班のメンバーに当たり外れがあります。研修内容は講師に任されているようで、班ごとのディスカッションのクラスもあれば、講師が講義しているだけのクラスもあります。また、起案ついてきちんと解説(解答・解説)してくれる講師もいれば、何にも説明しないハズレ講師もいます(再提出者が起案を修正できないくらい説明がなかった)。

<当日の題目>
1日目:特実・クレーム(3時間)
2日目:特実・出願手続(6時間)
3日目:特実・中間処理(6時間)
4日目:意匠・出願手続(3時間、午前)、中間処理(3時間、午後)
5日目:商標・出願手続(3時間、午前)、中間処理(3時間、午後)
 (夜間コースは2~5日目は2日にわけて実施)

<日程>
・金曜コース:毎週金曜の昼間(10001710*)、5日間、東京・大阪
・土曜コース:毎週土曜の昼間(10001710*)、5日間、東京・大阪・名古屋
・夜間コース:毎週木・金の夕方(18002110)、9日間、東京のみ
(今年は大阪はないみたいですね。昨年人気薄だったのでしょうか…?)
・集中コース:5日間連続ぶっつづけ(10001710*)、東京のみ
*初日のみ14001710

申し込み時に第3希望まで書かされます。希望者数によっては必ずしも第1希望にはならないようです。毎年土曜の希望者が多いようですが、(時間が融通しにくい)社会人優先のようでした(弁理士会も、有給休暇とって研修に来いだなんて酷なことは言わないってことですかね?)。

班分けはいつもアイウエオ順なので、メンバーは毎回ほぼ同じ顔ぶれ(楽しそうな班と終わっちゃってる班がありました)。金曜コースは会社の許可がもらえるサラリーマン(出張扱いでしょうか?)と日中に仕事していない方、土曜と夜間コースは社会人、集中コースは遠方の人が多いようです。土曜は人数がやたら多く(東京だけで250300人?)、集中コースはアットホームな雰囲気です。夜間コース以外は終了後に飲み会していたようです。楽しそうですね。

*前回の記事「スケジュール」はこちら⇒リンク
*次回の記事「恐怖の起案」(予告)はこちら⇒リンク


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実務修習回想録 ③恐怖の起案 [修習研修]

今回は起案についてです。e-learningは極端な話、流しっぱなしにしていても単位が取れますが、起案は講師がOKしてくれないかぎり、単位が取れません。そうです、この「起案」がいちばんネックなのです。

★スタートまでにちょっと予習しておこう
実務修習開始(12/10頃)から最初の起案提出までは、約10日間です(起案は郵送なら必着、直接持込も可)。この10日でクレームと明細書の課題を作成します。未経験だと下調べ(実務のお作法:出願書類の書き方、題材となっているテーマの公報など)が必要になります。さらに、仕事をしながらだと、土日とお正月が潰れる。
そこで、起案作成にスムーズに取りかかるために、合格発表(11/10頃)からe-learning開始(12/10頃)までの1ヵ月間、実務書に目を通しておくのも不安と負担軽減によいと思います(といっても、この記事をupしたのは12月頭ですが)。参考書は内容を理解できるに越したことはないですが、理解できなくてもどこにどんな内容が書いてあるか把握しておくだけで、起案作成に伴い調べ物が発生したときに役立ちます。

★起案・作成プロセス
実際の実務に比べれば難易度は低いのでしょうが、未経験者にとっては“未知との遭遇”。最初は、一行書くだけでも、詰まります。関連するe-learningは聴講した方がいいと思いますが、聴講したからといって起案が書けるようになるわけではなかったです。ですので、参考資料が必要になってきます。

もっとも手っ取り早いのは、実際の出願書類や意見書を参照することですが、たいがいの未経験者は手に入る環境にいないのが現状。そこでググります。
書類の体裁は「出願の手続き」(特許庁HPの「法律・条約」「基準・便覧・ガイドライン」より無料ダウンロード可→リンク)に載っています。関連分野の知識(特許公報)はIPDL(特許電子図書館:公報等を検索・閲覧できる)で見つかります(元ネタに当たる場合も)。
でも、肝心の明細書や中間処理(意見書等)で使そうなフレーズなどはネットではあまり転がっていませんでした。書類作成のノウハウでお金を稼ぐ仕事なのですから、使えるフレーズほど無料では手に入らないのかも。たまたま(宣伝目的で)意見書の見本を公開している事務所HPを発見できて、これはお役立ちでした。
なので、0から考えようとせず、公報やe-learningのテキストのフレーズを真似して書く(写す?)のが早道かと。あと「特許明細書の書き方(6版、ISBN978-4806528289)」、「特許出願への拒絶理由への対応(ISBN978-4806527473)」等の本を参照してもいいと思います。

★起案・突破まで
とりあえず期限内に出すことが最優先。
再提出を恐れない。グーグル&IPDL(特許電子図書館:公報等を検索・閲覧できる)を駆使して長時間粘っても、未経験者ではどうしても限界があるからです(建前上、他者との合議はNGとされています)。
最終的に合格できればいい。集合研修時に起案についてグループディスカッションをするので、その時のディスカッションの内容(≒メンバーのOK起案)を参考にさせてもらえば、2回め(再提出1回目)でほぼ通せると思います。
なお、提出した起案の返却はなく、採点の内訳はわかりません。

★再提出
再提出の期限は通知受領から約1週間です(必着)。起案の1ページ目は指定の用紙(表紙、色紙)を添付するよう指示があるのですが、この色が、青(初回)→黄(再提出1回目)→赤(再提出2回目)…と変わっていくそうです。私は黄色までしか見てませんが。
未経験者だからといって怖がる必要はないです。昨年(H22年度)の様子では、経験者(事務所勤務)でも普段やらない分野(特許技術者が意匠・商標で)や、経験分野(商標経験者なのに商標で)でも再提出などの人もいた反面、未経験者ですべて一発クリアの人もいました。私も再提出は1回だけだったので、自分なりのベストを尽くせばほぼいけると思います。

この時期(起案提出の12~1月)、グーグルで検索ボックスに「弁理士」と入力すると、ふつうに「実務修習」「起案」と自動表示されるくらいでした(調べる必要のある人なんて1000人もいないはずなのに)。でも、誰も、起案の参考になりそうなことはブログに書いていないんです。守秘義務がきつーく課されているので。でも、自力でもなんとかなりますよ。

次回(第4回)は「集合研修」についてです。
*第1回「スケジュール」はこちら⇒リンク
*第2回「カリキュラム」はこちら⇒リンク


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実務修習回想録 ④集合研修 [修習研修]

あけましておめでとうございます(前回の更新(12/1)からだいぶ経ってしまいました…)。今月から集合研修が始まりますね(その前に年明け早々に起案提出がありますが…)。
実務修習でいちばん期待度が高い集合研修。知り合い増やしたい、いい女/男とお近づきになりたいっ…の期待(願望?妄想?)が叶うか否かを決めるのは、おもに班分け(と、その後の飲み会)。しかしこの班分け、口述試験のレーンより、当たり外れがでかいです。

★研修の進め方
講師によりますが、私の部屋はこんな感じでした。
・特実・クレーム(3時間):班ごとにディスカッション&発表→講師講評
・特実・出願手続(6時間):午前は講義、午後はディスカッション&発表→講師講評
・特実・中間処理(6時間):午前は講義、午後はディスカッション&発表→講師講評
・意匠・出願手続(3時間):前半は講義、後半はディスカッション&発表→講師講評
・意匠・中間処理(3時間):講義のみ
・商標・出願手続(3時間):前半は講義、後半はディスカッション&発表→講師講評
・商標・中間処理(3時間):班ごとにディスカッション&発表→講師講評

★1日のスケジュール
開始まで
10:00
までに会場に来るべし(15分以内の遅刻なら出席扱い)。まずは受付を済ませる。この受付がどきどきもので、ここで紙封筒をもらってはいけないです。なぜなら、その中身は「あなた、今回の起案は再提出です」の通知。受付後、着席。座席は指定で、入口に座席表が掲示されている。アイウエオ順なので、アの人はいつも前、ワの人はいつも後ろの席になる。1部屋50人弱(ぎゅうぎゅう詰めで狭い)。

10:00
13:10(研修、10分休憩あり)
午前の部開始。経験者と未経験者がだいたい半々くらい。年齢層も20代後半~50代と幅広い。ディスカッション(起案の課題について、班としての意見をまとめる)が盛り上がる班(たいてい若い)と、そうでない班が(5060代オジサン5人+20代1人って班があって、傍から見ていてかわいそうだった)。時間が余ると雑談していたりする。
経験者がいると心強いし勉強になりますが、中途半端な経験者だと居ないほうがよかったりする(変に気取ったクレームを書いてくる)。コミュニケーションが「???」な人が2班に1人くらいの確率で居る。

13:10
14:00(昼休み)
外に食べに行く時間はないので、近くのコンビニ(向かいの霞ヶ関ビルにローソンがある)で買ってくるか、持ち込みの食料を、自席(午前中の席)か知り合いと一緒に食べるケースが多い。フィーリングの合った班なら、一緒に自席で食べたほうが繋がりが強くなっていいと思う(班はどうしても当たりはずれがあるので、合わなければ無理しなくていい)。机の配置のレイアウト変更があるクラスは、昼休みは部屋から追い出されるので、食事場所を探す必要が。他のクラスの知人か、霞ヶ関ビルのリエゾンスクエア(休憩所)頼み。

14:00
17:10(研修、10分休憩あり)
午後の部開始。詳細は午前に同じ。

終了後
飲みにいく人半分、まっすぐ帰る人半分といった感じ。近くにお店は結構あります(しかも高くない)。集団も、研修の延長(同じ班や適当に集まったグループ)と、もともと出来上がっているグループ(ゼミ仲間など)がありました。同じ班の人なら初対面どうしなので気兼ねする必要もさほどないですが、ゼミ仲間グループには入りづらいと思います(内輪ネタ(ゼミの話)とかされても全くわからないし)。
特に、短期合格者(ゼミに入ったことがない合格者)や通信教育利用者などで、かつ事務所勤務でもない場合、そもそも受験仲間自体が少ないため、結果的に合格者の知り合いも少ない傾向が。飲み会とかに参加したいけどきっかけが掴みにくい、話の輪に入りにくい、名刺交換程度で終わってしまうといったことがあると思います。しかし同じように単独の人はどこかにいるので、早めに(できれば祝賀会や懇親会などで)見つけておくことをオススメします。複数人で行動することで、飲み会などで、他のグループや話の輪に入りやすくなります。

実務修習に対して不安になるのは、修習が未知の世界だからだと思います。でも、必要以上に気負う必要はないですよ。試験に合格するほうがハードルは高いはず。一生に一度の経験(おそらく)を楽しんでください。

<過去記事はこちらから>
*第1回「スケジュール」⇒リンク
*第2回「カリキュラム」⇒リンク
*第3回「恐怖の起案」⇒リンク


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