口述・模試予約スタンバイ [口述試験]

もうすぐ論文の結果発表ですね。発表後は、口述模試&練習会が続々と開催されます。しかしこの口述模試の予約は毎年激戦になります。口述受験者は約1000人いるのに対し(昨年とおととし、H21-22年)模試の申込枠はそう多くないうえ、1名が複数の予備校を掛け持ちして予約するから。そして先着順のところが殆どです。自分の口述試験日(9月末~10月頭に論文合格通知と一緒に簡易書留で届きます)を確認してからの予約では間に合いません!!

★口述模試&練習会の種類
<口述模試>
・おもに予備校系(LECTAC、プログレ、IPC/GSN、代々木、吉田など)
・問題作成は予備校スタッフまたは講師、試験官役は講師
・利点は自分の回答が不適切だった場合、講師に訂正してもらえる
・普段通っているところと異なる予備校に行くとアウエーでの練習にもなる
・費用は7,00010,000円程度(やや高め)

<練習会>
・おもに会派系(PA会、春秋会、南甲、弁ク、同友会など *順不同)
・会派会員(弁理士)が問題作成及び試験官役
・利点は慣れない環境(知らない人、知らない場所)で度胸をつける練習になる
・費用は無料~3,000円程度(会派の宣伝を兼ねているので良心的)

★発表前日までにスタンバイ
・各予備校&会派の模試&練習会の実施日時をチェックし、スケジュールを作成(いつどの模試を受験するか)
・会派は会派サイトの事前登録者に対してのみ案内を送信するところも
・各予備校&会派の実施日程はけっこう被ってます。あせって申し込むとブッキング(や移動時間がない)なども
・希望どおりに押さえられないことも多いので、第2、第3希望のスケジュールも準備
・申込受付スタート日時、申込方法(メール、HPの指定サイト、電話等)は控えておく
・申し込みメールは事前に作成しておいて、送信可能な状態でスタンバイ。
・遠方の方は土休日を使って模試めぐりをされています。1日に3つくらいは回れます。

★おもな予約受付スケジュール(2011年、東京地区)
予約が早い順から(正確な情報は各予備校、会派のHPでご確認ください)

<予備校> 開始日時、申込方法、費用の順です
Y塾: 申込可能?、指定サイトから予約、10,000円(早期予約8,000円は終了)
9/21()15:00~(9/28以降実施分は9/22()20:00~受付)、指定サイト、7,000
9/22()12:009/27()12:00、指定サイト、10,000円(一般15,000円)
IPC/GSN
: 一般予約9/22()12:00~、電話予約(予定)、13,000
9/22()16:00~、指定サイト、10,000
Y
ゼミ: 申込可能(Yゼミ利用経験者のみ)、メール、8,400円

<会派> *順不同
南甲: 申込可能?、e-mailまたはFAX3,000
 http://www.nankoh.gr.jp/11annai/2011kouzyutsu.pdf
同友会: 講習会(9/28水、口述対策説明会)は申込可能、講習会参加者にのみ案内、昨年は無料
 http://www.douyukai.com/article/13469166.html
春秋会 9/22()12:0021:00、指定サイト、10,000円(本番と同じ会場
 http://www.shunju.gr.jp/information/info01/2011/09/post_51.html
PA: 詳細はHPhttp://www.pa-kai.com/)に掲載、3,000
 http://www.pa-kai.com/~main/info/c-board.cgi?cmd=one;no=132;id=
弁理士クラブ HPの受験生コンテンツに事前登録が必要、昨年は3,000
 https://s214.secure.ne.jp/~s214011/enquete/enq03.html(登録サイト)

3,000円なら、場所代+αだと思います。
・現時点で申込可能な分は、今年口述から参戦する人が対象と思われます。
・申し込みには受験番号が必要(口述受験者であることの確認目的と思います)。
・会派系はこの他に稲門があります(W大出身者のみ対象のためここでは割愛しました)。

★実施スケジュール(2011年、東京地区)
(正確な情報は各予備校、会派のHPでご確認ください)
実施時間帯は、土日祝日は朝~夕方平日は夜間がメインとなります。ふだん仕事のある方々に配慮してくれていますね。

9/22(
): 論文発表
23()P①
24()P②Y塾①
28()P③
29(): 春秋会①
30()P④PA会①、春秋会②
10/1()L①T①P⑤IPCYゼミ①
2()L②T②IPCYゼミ②
3(): 弁ク①、PA会②
5()P⑥
7()P⑦
8()L③T③P⑧IPC
9()L④T④IPC
10(月祝)L⑤P⑨Y塾②
11()P⑩、弁ク②
13(
): 同友会
14(): 南甲
15(
)21(): 口述本番21日は予備日)
15()P⑪

上記のほか、
・Y塾は上記のほか平日夜間も実施。
Yゼミは昨年、模試以外に個別練習会(Y先生がOKな日時)がありました。
IPC/GSNは昨年、模試以外に個別レッスン(平日夕方等)がありました。
模試の予約が思うように取れなかった人は、規模が小さめの塾に頼み込めば、フレキシブルな対応をしてもらえるかもしれません。

★模試の申込数
これまで練習会の経験が全くない方の場合、模試は4回程度(予備校2~3回&会派1~2回くらい)を実施日を散らして受けておいた方がいいと思います。さすがにぶっつけ本番で臨む方はいないと思うけど、予行練習が1~2回だと、練習量としては少なすぎて、模試で見つからなかった“隠れた弱点”が本番で露呈する可能性も高い。
口述模試&練習会も本番と同様、問題によって自分の出来がまちまちになります。得意なテーマならスムーズに答えて終わってしまい、苦手なテーマだと1問目で終了などして(特に今の時期だと口述レベルまで完成していないので)、練習にならない回がでてきたりします。また、試験官役の指摘(評価の視点)もまちまちなので、いろんなコメントをもらった方がいいというのもあります。模試でいっぱい失敗して、問題点を修復して、本番で成功がいちばんと思います。

☆おまけ:昨年(2010年)の私の予約失敗(?)談
・W(現T)は申し込みできなかった。定員も少ない上、サイトになかなかつながらない。めぼしい日(土日祝日)はW生の先行予約(予約数に上限なし)でほとんど押さえられていた模様。
・春秋会の練習会は本番会場で実施(某ホテルの一室、本番ではベッドは撤去されています)。でも1万円も取られる(会場費にしては高い??)。私は抽選でもれましたが(春秋会会員の知り合いがいない人はほぼ落選していました)、会場を下見できるのに越したことないけど、見なかったからといって特段不利にもならなかったと思います。
・Lは実施数が多いし1人1予約と制限していたので、(先行予約の優先権を使用しなくても)わりと余裕を持って申し込めた。スケジュール調整弁として最後に予約してもよかったかも。

口述試験は、論文発表直後の模試申込からライバルとの熾烈な争いが始まります。模試の予約も、もちろん本番の試験も、勝ち抜いてやりましょうよ。あと4週間です!


*2011.9.21 同友会の予定を追加、プログレの予約開始時間を変更しました
*2011.9.22 吉田ゼミの予定を追加しました


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付け焼刃を研ぎ澄ます [口述試験]

本日(2011.9.22)、論文試験の発表ですね。昨年の私はお休みをいただき、自宅で発表をチェックしました。どっちに転んでも、仕事できる状態じゃないだろうな、と思ったから。

★番号があった。けど…
このたび論文試験を無事通過された方の中には、これまでマジメに口述対策に向き合ってこなかった方もいらっしゃっると思います。その場合、今のお気持ちは「本番まであと3週間しかないし、来年でいいや。どうせダメだし」でしょうか?
昨年2ちゃんで、敵前逃亡を考えている人に対して「(口述本番までの)たった3週間頑張れないヤツが、(来年までの)1年間頑張れるわけがない。今、死ぬ気でがんばれ」というような感じのコメントがありました。これは事実と思います。
試しに昨年の今頃(10月~11月)の2ちゃんの書き込みをご覧になってみてください。臨場感、緊張感、不安感が伝わってきませんか? 来年に回したら、プレッシャーは今の倍以上ですよ。「だめもと」だからこそ、「怖いもの知らず」の今年だからこそ、リラックスして試験に臨めるかもしれません。

出遅れてしまっているのは仕方ないので…

★口述試験を知る・慣れる
試験の概要を把握するには過去問が適役ですが、口述試験は短答や論文と違い問題が一律でなく、試験官の質問の仕方や受験者の答え方によって、出題内容にバリエーションがあります。そのため、特有の見方が必要になります(詳細は過去記事(→リンク)と同様になりますので、ここでは割愛します)。
過去問を見て口述試験のイメージがつかめたら、次は練習です。独り一問一答もよいですが、自分の思う答えが、試験官の求める正確性のレベルに達していないことはままあります。実際に練習してみた感想が「なんとなくOK」の感触でしたら(事例は過去記事→リンク)、9月中に実戦練習(模試)の場を持つことで想像の世界から脱却し、1日でも早く現実の口述試験を知る必要があるかと思います。

★揃えておきたいアイテム
口述試験の傾向にあわせてインプットです。インプットが十分でなければ、的確なアウトプットはできないから。模試(アウトプット)ばかりでは、例えるなら『スポーツ選手が毎日試合に出ているが筋トレも練習もしない』状態と同じになっちゃいますよ。
口述対策として(最低限)揃えておきたいレジュメ類は過去記事(→リンク)にまとめていますので、こちらをご覧ください。

★とにかく、最善を尽くす
今から猛チャージするにあたっての目標は、①最低限必要なことをインプット、②今ある知識は完璧にする になるかと思います。新しいことをする時間は残されていません(試験当日まで休職できれば別ですが…)。本番までにとにかくやっておきたいことは…

・1日でも早く口述模試(練習会)を経験する(なるべく早く軌道修正する)
・青本が手付かずならレジュメで済ます(青本を読み通す時間はない)
・「口述要点整理集」(IPC/GSN)を当日までに3回回す(全範囲が復習できる)
・条文集への書き込みは新品の「四法対照」で(短答論文向けの書き込みはジャマ)
・過去問はチェックしておく(過去と同じ質問で答えられないと心証悪い)
・模試や練習会で答えられなかったところは完璧に(予想問題だから)
・アウトプット(模試)→インプット(弱点補強)→アウト→イン…を繰り返す(口述模試は日付を散らして予約)
・条文にないことは覚える(審査基準や判例。条文を参照したところで答えはない)
・事例問題は正確な理解が試される。落ち着いて考えられるよう練習を。

「ダメでもともと」と「もともとダメ」は違う。ここで諦めてしまったら、後者になっちゃいますよ。短答・論文免除で受験できる最大3回のチャンスのうち、いちばん得意な問題が今年来るかもしれない。そしたら絶対「勉強しとけばよかった…」って後悔するはず。合格者だって完璧に答えられてるわけじゃない。受験生活にピリオドを打てるよう、もうちょっとだからもうひと踏ん張りです。


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恐怖のラスボス クマとヒゲ [口述試験]

口述試験は「最終ステージ」。せっかくここまで勝ち上がって来たのだから、最終合格の栄冠を掴まなければもったいない。昨年(H22年)の口述クリア率*は平均約70%(論文免除者:約80%、論文受験者:約67%)。短答、論文よりクリア率は高いものの、ライバルは同じく論文合格者たちであり、ハイレベルの熾烈なレースが予想されます。そんな受験生に立ちはだかる強敵…それは他の試験官より明らかに厳しいジャッジを下すことで有名な、通称「クマ」と「ヒゲ」。

★今年も出没??
特許庁HPの試験委員リスト(平成23年度弁理士試験に係る委員等⇒リンク)によると、

>
口述試験
>  
:  :
>
熊○ ○○ 意匠
>  
:  :
>
○○ ○○ 商標
>  
:  :

残念ながら、ご両人ともにお名前がありました。(ヒゲ先生の実名は世間一般に広まっていなさそうなので、伏せました)

★女のコ好き?やっぱり男??クマ先生
口述でクマ先生に出くわした方々からの感想を纏めると、男性には手厳しいのに対し、一部の女性に対しては他の試験官と変わらないレベルの質問をなさっていたようです。もし今ご覧いただいている方が「若くて」「黒髪(ロング尚可)」の「美人」の女性なら、必要以上に怖がらなくてもいいかも?

★識別力高すぎ!さすが商標!!ヒゲ先生
ヒゲ先生は仙人さながらの立派なロング白髭でいらっしゃるので、商標部屋のドアを開けた瞬間、存在に気づいてしまいます。逆に、クマ先生は顔を知らなければ気づかないまま試験を終えることができます(私は事前に顔写真をググったりしませんでした。知らない方が緊張しなくて済むので)。

★ダブル攻撃はあるのか?
試験官とレーンの組み合わせは直前に無作為に決めるそうなのですが、4年前(だったと思います)にクマヒゲコンボのレーンが1つできてしまい、そこだけ致死率が高かったそうです(2年前(2009年)までは受験番号順に1日目から試験を実施していたため、論文合格者と最終合格者の受験番号を比較することで、各レーンの合格率がなんとなく推測できた)。最近は公平性の観点から同じレーンにならないように気を使ってるらしいのですが…(それならばそもそも試験委員に選ばないでほしいですよね)

口述試験には、このステージにたどり着いた人にしかわからない言い知れぬ不安があります。その不安を増大させているのが、不公平さ…クマとヒゲの存在だとも思います。でも今ここで気持ちで負けてしまっては、ここで敗退が決まってしまいます。運悪くクマかヒゲに出くわしても1人だけなら、撃退できなかったとしても、他の科目で合格点を取れればゴールできます。命からがらでもいいので、どうか最後まで逃げ切ってください。

*昨年(H22年)の口述クリア率の概算(特許庁のH22年度受験者/合格者統計より):論文免除者(前年の口述OUT):181/227名→79.7%、論文受験者:554/821名→67.4%(短答免除者:456/679名、短答受験者:98/142名)


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模試で冷や汗、道場で赤っ恥 [口述試験]

論文の発表から1週間経ちました。口述模試や練習会には参加されましたか?今は失敗して弱点をいっぱい見つけて、潰しておく時期だと思います。口述は広い試験範囲の一部分を深く問うてくるから、得意が多いよりも苦手を少なくした方が、運(当たり外れ)の要素を軽減できます。
昨年感じた、口述模試、口述練習会、口述道場の特徴使い分けを記します。

★口述模試(受験機関)
口述模試は、科目(特実・意・商)ごとにブース(部屋)が分かれている、試験官役がその都度変わる、入室(一礼、挨拶、受験番号&名前)から退室(挨拶、一礼)までの一連の流れで行う、総括質問付きなど、なるべく本試に似せようと努力がみられるシチュエーションでの口頭練習です。スーツ姿で模試を受ける方も多いです。
本番までに何回か受験することになるものですが、最初は口述試験の疑似体験のため、最後は立ち居振る舞いも含めた仕上げ(確認)のために利用するのがよいかと。就活/転職活動の面接練習みたいなイメージです。

★口述練習会(会派)
試験官役が予備校講師ではないので、おそらく初対面(普段見聞きしたことのない人)との練習になります(まれに知り合いが試験官役というケースもありますが)。会場も弁理士会館かどこかの貸会議室で、おそらく初めての場所かも。出題問題や内容の正確性は予備校の方が上ですが(予備校はそれが仕事ですから)、試験管役の人が近年の合格者であれば最近の口述の傾向を肌で感じられると思います(色々質問をしてもよいかと)。慣れない環境でもあがらない練習、質疑応答の場数を踏む練習として利用するのがよいかと思います。

★個別練習会(受験機関)
個別練習会は、試験官役が1名で全科目(特実・意・商)通して質疑応答を行うパターンが多いと思います。1科目(10分)だけでは気づかれなかったことも、3科目(30分)あれば弱点や特徴が見えてくるので、講師も受講生に合わせたアドバイスがしやすいと思います。自分の“口述力”の確認の場として利用するのがよいかと思います。
特に、Yゼミでは今年も「練習の場面をビデオ撮影してその場で自分がしゃべっている姿をお見せしつつ講評する対応」(原文どおり)をするそうです。これは結構効きますよ。毎日自分の顔を見ていても、緊張している自分がどんな表情をしていて、どんな調子で喋っているのかは、知らないことの方が多い。実はヘンなクセがあるかも。面接形式だと、言葉(回答)以上に内面が伝わってしまうもの。なるべく心証よく伝わりたい(伝えたい)ですよね。

★口述道場(L
口述道場は、大教室に受講生が集まって、講師の質問に順繰りに答えていくシステムです。利点はなんと言っても、他の受講生、つまりライバルの回答(というよりレベル)が分かること。口述模試だと基本1対1なので、短答や論文と異なり、模試の点数や偏差値などの客観的な指標で比較できない(講師や試験官役の人なら他の受講生と自分を比べられるけど、受講生側は他の質疑応答は見てない(見れない)わけだから比較できないし)。その点道場は、不特定多数の受験生と自分を比較し、相対的な位置を確認できる貴重な場となります。
受験生は、おそらく「すらすら答えている人」と「全く答えられない人」に二分されていると思います(少なくとも昨年(2010年)はそんな感じでした)。ライバル達には3種類いて、①前年の口述OUT組(今年論文が選択科目だけだった人を含む)、②論文必須受験組で夏場口述対策をしていた人、③夏場サボっていた人、の3タイプ。「すらすら答えている人」はおそらく①で、答えられて当たり前なので(本番経験まであるのですから)、必要以上に不安がらないでください。そして「全く答えられない人」はおそらく③で、こういった人を見て「自分は下位3割じゃない」と思って安心しないでください。この中には、猛烈な追い上げで強敵に変身する人が少なからずいます。不確定要素の多い口述試験に、安全域はありません。

私は口述模試/練習会は、普段通っていない受験機関にも積極的に遠征しました。その時に「プログレ(T尾講師)とY田ゼミって大手より良質なんじゃないか」と思って「何でいままで活用しなかったんだろう」とちょっと後悔したのを覚えています。最初は安心感のある大手予備校に行きがちですが、規模が小さいのに名前がそこそこ知られているということは「それだけのものがある」ということなんでしょうね。馴染みがないからといって敬遠せず、練習の機会はいっぱい持ってくださいね。


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Give me a 助け舟! [口述試験]

口述模試や練習会に参加してみて、口頭試問中、助け舟(試験官からのヒント)がほしいと感じた瞬間はありませんでしたか?最近の本試験の傾向として、軌道修正となる質問はなされても、直接正解のヒントとなる助け舟はあまり出さないようになってきたと感じます。そこで今回は、助け舟についてです。

★助け舟もらえそう?
助け舟がもらいにくい質問として「基本的な事項」や「過去に出題されたものと全く同じ問題」などがあります。おそらく、「もちろん知っているよね? 過去問もチェック済みだし、(予備校の作った)答えも見ているわけだから…」という感じなのでしょうか?(勝手な想像ですが)。
一般的な傾向として…(といっても試験官のパーソナリティーに因るところが大きいですが)

(助け舟が 来そう⇔来なさそう の順)
・問題が 応用レベル ⇔ 基本レベル (知ってるはず)
・過去に出題が ない ⇔ あり (知ってるはず)
・受験生のその問題に対する回答が 「惜しい、あと一歩」 ⇔ 「いまいち」
・受験生の今までの回答から察するに 「実力ありそう」 ⇔ 「不理解が目立つ」
・受験生に対する全般的な心証が ポジティブ(受かってほしい) ⇔ ネガティブ(もっと勉強すべし)

★助け舟をもらうには?
青本の記載どおり、条文どおり答えられればよいけれど、そう上手くいくことのほうが
少ないですよね。答えがわからないときは、自分の記憶を辿って、何か言ってみる。助け舟を引き出せるかもしれません。

①思い当たる関連事項を答えてみる
→正答にかすっている、部分点レベルの内容なら、何か手がかりがもらえるかも。
②自分の理解を伝える
→自分の言葉に置き換えて回答することは好ましくないですが、自分が概ね理解していることは試験官に伝わるかもしれません。「何とかしてあげよう」という気になってくれるかも。

「条文を参照してもよろしいですか」や「失念しました」は最後の手段。「自力ではムリです」と言っているようなものだから。前者は参照すればヒントが得られるわけですが、後者は助け舟がくることを祈るしかない。もちろん、沈黙(10秒以上無言)や「わかりません」と言ってしまうのは自ら白旗を揚げる行為だし、逆質問(試験官に「これは~という意味でしょうか?」と聞き返す)は厳禁です。

★条文参照が使えない→助け舟待ち
条文を参照してはいけない事項、それは、覚えていないと答えられない事項です。たとえば、

①青本の内容:定義趣旨、用語説明等
②審査基準の内容:意匠の要旨の定義、商標の周知性うんぬん等
③判例

条文を見れば分かるものは、条文の参照をお願い(して許可されれ)ば、条文(答え)を確認した上で答えられるわけですが(といっても条文を参照しなからの回答は不可で、条文集を閉じて条文集から手を離した後で回答する必要があります)、条文を探してもどこにも書いてない事項は覚えていないと、自分の中から絞りだすのはかなりきつい。
こういった条文のどこを探してもヒントもない問題こそ、わからない時は助け舟がほしい。しかし、誤って「条文を参照してもよろしいでしょうか」と言ってしまうと、致命的です。なぜなら「答えるべき事項の出典元も分からないということは、勉強が不十分」という心証を与えかねないからです。助け舟を出す気が失せてしまいます。

★具体例
過日の口述再現記事でご登場いただいた知人に再度お願いし、再現を比較してみました(なお、条約が出題された某日の特実です)。

<助け舟なし>
Q.
わが国(の実用新案法)においては図面の提出が必須なのに、国際出願では図面を提出しなくてもよいというのは矛盾していると思いませんか?
A. 各国の自由なのだと思います
Q. (「思います」か…知らないのかな?) では、それは何条に規定されていますか?
A. ・・・法文を見てもよろしいでしょうか?
Q.
どうぞ。
A.
特許協力条約の7条(2)(ii)です。
Q.
そこには、何と規定されていますか?
A.
指定官庁は、出願人に対し、図面を提出することを要求することができる、と規定されています。
Q.
そうですね。

<助け舟あり>
Q.
条約上、図面は必須の書面ではないと思いますが、国際実用新案登録出願で提出を求めているのは矛盾していませんか?
A.
条約上、図面を求めるか国ごとに判断してもよいこととなっているため、問題ありません
Q.
(理解は伝わるけど) もう少し正確に言ってください。条文を見た方が
A. ・・・(たまたま内容は知ってたけど、条文の位置までは…ギブアップかも)
Q.
(あと1歩なんだけど、ダメか…) PCT7条なので… (と、助け舟)
A. (条文を参照し)指定官庁は、出願人に対し、所定の期間内に図面を提出することを要求することができるとあるので、問題ありません。
Q.
そうですね。

本番が近づくにつれ、口述試験に臨む者にしかわからない不安感がどんどん強くなってくるかと思います。どれだけ勉強すれば合格ラインに達するのかわからない、いくら頑張っても受からないんじゃないか、運悪くマニアックな問題に当たったらどうしよう…、そういった不安はライバル達も同じこと。
過去の受験新報に「口述試験というのは一生で一度の貴重な体験であって、論文試験をパスした者のみ受験することが許される特別な試験だから、光栄なことと思って胸を張って挑んでほしい。」という記事*がありました。ここ(口述試験)を通過しなければ最終合格はありえない。誰もが通る道。だから、このステージまで到達した自分自身に誇りを持って、自分を信じて、当日を迎えてください。

*引用:弁理士受験新報 No.69201010月号)


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